東京高等裁判所 昭和42年(ラ)81号 決定
抗告人は、旧国籍法第一条にいわゆる「子は出生の時その父が日本人なるときはこれを日本人とす」とあるその父は法律上の父に限らず自然的血縁だけによる事実上の父をも含む旨るる主張するけれども、民法上父子の親子関係が成立するためには右のように単なる父子の自然的血縁があることだけでは足らず、必ずや、子が嫡出子たる場合か、父が婚姻外の子を認知(裁判上のものを含む)した場合なるを要するは、いうをまたないところ、出生による国民の国籍取得の原因につき規定した右旧国籍法第一条が、ひとり、これと異り、抗告人主張のような趣旨で、事実上の父を含め「その父が日本人なるとき」云々と規定したものとは到底考えられない。同国籍法の規定が出生による国籍の取得につきこの場合いわゆる血統主義によつたことも、抗告人主張のように解釈すべき根拠となすに足りない。
(福島 武藤 三和田)